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ASTROLOGY and TAROT
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Posted by suu(すー) - 2008.05.13,Tue
5月1日から始めたこのブログだが、はじめは、これから見る映画は全部レビューするつもりだった。
でも、タランティーノの『デス・プルーフ』と一緒にレンタルした映画を見て気が変わった。
その映画は、60〜70年代アメリカで実際に起こった未解決の連続殺人事件を元に作られていて、青かぶりした色相とハイコントラストの映像が当時の雰囲気をうまく醸し出している。映像センスに定評のある監督なので、目に快い映画に仕上がっていたが、見終わった後、特に何の感想も浮かばなかった。それで、このブログを始めた当初の予定を変更することになった。
無理にでも感想をひねり出すなら、「無難」
優等生の几帳面な仕事を見せられたような感じ。

前後して観た『デス・プルーフ』と比べてしまって、いいところが見つけられない。
レビュー書くなら、1回観ただけの感想だとあまり内容のあるものはできないけど、気に入ったら何度でも観たいと思うし、観るたびに書きたいことも出てくる。『デス・プルーフ』はもう3回観た。テリー・ギリアムの『ローズ・イン・タイドランド』も5回は見た。
でも、特に感想がない映画はもう一度観ようとは思わない。
だからレビューを書くことができない。

映画を鑑賞するような楽しみ方をするタイプの人は、一回観ただけでも完成度の高いレビューが書けるかもしれないけれど、わたしの場合は、アホになって幸せな気分に浸ってとにかく楽しみたいと思うタイプなので、何度か観てからでないと、どう書いたらいいのかわからない。
結局、自分の嗜好が偏っているし、気に入った映画はループするが、それ以外はほとんどスルーしてきたので、分け隔てなくレビューできないことに気づいた(今さら)。
修行のように作品を鑑賞するスタイルの映画は避けようと思う。
でも、リアルタイムで上映されているものは、レビュー書くかもしれない。『紀元前一万年』とかもそうだし。
映画監督という同じ肩書きなのに、仕事の次元が全然違うんだから面白い。
テンプレ通りの映画作るのなら、やってる内容はサラリーマンの仕事と変わらないんじゃないか。
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Posted by suu(すー) - 2008.05.13,Tue
全然タイムリーではないネタで恐縮ですが…。

数ヶ月前のニュースで、ブルーレイがDVDに取って代わり主導権を握るという話があったが、そのとき、無駄な消費をさせられるのは嫌だな〜と思った。
とはいえ、結局はブルーレイの流れになったら、いろいろと機材を買い替える羽目になるんだろうけど。まあ、HDD内蔵TVとかの選択肢もあるが。

不買したところで、結局は、コンテンツを握っているほうが強いにきまっている。
コンテンツのリリース元として世界最大最強はやはりハリウッドで、そこが決定権を握っている。
日本のコンテンツでハリウッドに対抗できるものといったら、ゲームか。
よくゲーム脳とか言われるけど、マイナス面ばかり見ていないで、競争力をつける方向でいい面を強化するようにして行けば、日本が記録メディアの主導権を握る可能性は大いにあるんじゃないか?

あと、密かに同人のポテンシャルはまだまだありそうだと期待している。
漫画は日本の風俗文化そのものだなとつくづく思う。
80年代後半から、宮崎勤事件などで、(性的倒錯要素のある)漫画やアニメにどっぷり浸かる若者は軽蔑と嘲笑の対象にされ、当時の「オタク狩り」はあたかも中世ヨーロッパの魔女狩りの様相を呈していたが、時代が移り変わった今でも、「キモオタ」とカテゴライズされる同人者はいる(ていうか、どのジャンルにもキモイ人というのは存在するし、それは同人に限らず、どんな業種でもある話)。
それでも、同人の世界は持ち前の多様性と柔軟性によって連綿と途絶えることなく新しい世代を吸収し進化し続けているのだ。
遅ればせながら、昨年生まれて初めて冬コミというものに行ってきて、衝撃を受けたのは、でかでかと萌え絵がプリントされたバッグ(A2ぐらいの大きさ)を誇らしげにぶら下げて闊歩する全然オタっぽくない若者がかなり見受けられたことである。しかも、ルックスが今風のジャニーズ系のお兄ちゃんだったので、時代は変わったのだなあと感心してしまった。
Posted by suu(すー) - 2008.05.10,Sat
2007年 米
監督:クエンティン・タランティーノ
製作: クエンティン・タランティーノ
   ロバート・ロドリゲス
脚本: クエンティン・タランティーノ
出演: カート・ラッセル
   ロザリオ・ドーソン
   ローズ・マッゴーワン


グラインドハウス風味のダメージ処理を施した映像

そびえ立つB級クオリティ

観る者の共感を拒絶し圧倒する支離滅裂な構成

タラちゃんにしか出せない味


普通の映画は、登場人物の誰かに感情移入しやすいような設定を作っておくものだ。
たいてい主役は、子供や恋人など守るべきものがあったり、何らかの目標に向かって努力していることがある。
普通は、登場人物に共感できる要素がないと、観るほうは興味を失いやすく、延々と2時間も垂れ流される映像をじっと見続けることは難しい。

しかし、そういった前提をあっさりくつがえしてしまえる特異な監督もいるのだ。
オタクはディテールに反応する。
共感できるポイントが少ないほど、そのディテールが際立ってくる。

『ジャッキー・ブラウン』でもそうだったけど、傲慢なバッドガールと屈折した中年オヤジの殺伐とした掛け合いは爽快。
Posted by suu(すー) - 2008.05.09,Fri
2008年 米/ニュージーランド
監督: ローランド・エメリッヒ
出演: スティーヴン・ストレイト
   カミーラ・ベル
   クリフ・カーティス




テンプレ通りのストーリー。
ロケ地のニュージーランドの景色は素晴らしい。もちろんCG処理はしてあるが。
マンモスもリアルに再現してある。

ただ、悪役の正体や目的がいまいちはっきりしないままあっさりやられてしまってるので、消化不良の感が否めない。
「空から来た」とか「沈んだ大陸の生き残り」とか言うから、すわ宇宙人か?レムリアか?と面白くなりそうな展開を予感させといて予感だけで終わってしまったのが残念。

ギザのピラミッドがオリオン座を地上に写したものだということは、グラハム・ハンコック『神々の指紋』でも言われていた。
空から来た制圧者は、オリオンのしるしを怖れていたのだとすると、オリオンから逃げてきた宇宙人だったのかも?


Posted by suu(すー) - 2008.05.06,Tue
2005年 英/カナダ
監督:テリー・ギリアム
製作:ガブリエラ・マルチネリ
   ジェレミー・トーマス
原作:ミッチ・カリン
   『タイドランド』(角川書店)
脚本:テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド



平原に一人取り残されたローズ。
アリスはウサギのあとをつけて不思議の国へ入り込むことができたが、ローズは4つの人形の頭と対話することで平原を干潟(タイドランド)に変えることができた。
孤独な干潟は幽霊の世界。
そこには、恐ろしいがおいしい食事を作ってくれる魔女と、巨大ザメに挑む勇敢な艦長がいた。

4つの人形のうちのボス格にあたるミスティークは、ローズの人格の中の、冷静に現実を把握する部分を担当していた。
ミスティークの存在が、ローズを平原にとどめていたのだが、ミスティークがウサギの巣に消えてからは、ローズは完全に干潟の住人へとシフトした。

幽霊は4次元の世界の存在だとよく言われるが、タロットでは、12番目のカード「吊し人」に相当するのだと思う。
中空に浮いた存在。
この映画を一言で説明するなら12番目の「吊し人」から13番目の「死神」へ移行するプロセスの話である。

このプロセスは、とてもひっそりとしているため、下手すると、まったく無意味なことのように思われるだろう。
DVDの特典映像で、爆笑問題の太田光が、「なにやってんだろうな〜いつ面白くなるんだろうな〜と思いながら見ていて、最後の爆発でやっと面白くなりそうだと思ったらエンディングだった」と言っていたが、やはり生き馬の目を抜く芸能界で売れている人には、このひっそりとしたプロセスは無意味だったのだろう。
「平原」にしっかりと自分の居場所を確保している人は、「干潟」に魅力を感じない。「干潟」の存在にすら気づかないかもしれない。
「干潟」に足を踏み入れたことがある人は、この映画の世界に敏感に反応できるはずだ。
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